「デイサービスの送迎ドライバーの求人を見たけれど、介助までやるのか、二種免許が要るのか」。まず結論です。介護送迎ドライバーは普通免許でできる、短時間中心の仕事です。運賃を取らないため二種免許は原則不要で、未経験・無資格から始められます。ただし運転だけでなく、車いすの上げ下ろしや乗降のサポートが伴い、勤務は朝と夕方の2ピークになります。この記事では、まず仕事の全体像を早見表で示し、仕事内容・必要免許・勤務時間・給料・乗降介助の範囲・向き不向きの順に整理します。読み終えたら、自分に向く働き方か判断できます。
この記事でわかること:
- 介護送迎ドライバーの仕事の全体像(内容・免許・勤務時間・給料の目安)
- 運転専任と介護兼務の違いと、乗降介助はどこまでやるのか
- 朝夕2ピークの働き方の実態と、向いている人・きつい点
介護送迎ドライバーの仕事の全体像|内容・免許・勤務時間・給料
先に全体像を早見表で示します。介護送迎ドライバーは、デイサービス(通所介護)などの施設利用者を自宅と施設の間で送り迎えする仕事です(2026年7月時点)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な仕事 | 利用者の送迎+車いすの上げ下ろし・乗降のサポート+車両点検・運行記録 |
| 必要免許 | 普通自動車第一種免許で可(運賃を取らないため二種は原則不要) |
| 勤務時間 | 朝2〜3時間+夕方2〜3時間の2ピークが中心。パート求人が多い |
| 給料の見方 | 地域別最低賃金以上か確認し、実働時間と週の勤務日数で月収を計算 |
ポイントは3つです。第一に、特別な資格はいりません。普通免許があれば未経験・無資格から始められます。第二に、勤務が朝と夕方に分かれるため、日中に空き時間ができる独特の生活リズムになります。第三に、運転以外に乗降のサポートがあり、高齢の利用者を安全に乗せ降ろしする丁寧さが求められます。
体力的なきつさは長距離トラックほどではありませんが、「楽なだけの仕事」でもありません。短時間で働きやすい反面、利用者の安全に責任を負う緊張があります。以降で一つずつ見ていきます。運転専任の送迎全般の基本は送迎ドライバーの仕事内容でも確認できます。
何をする仕事か|送迎と付随業務の中身
介護送迎ドライバーの一日は、送迎の時間帯に集中します。主な業務は次のとおりです。
- 送迎運転:朝は利用者を自宅から施設へ、夕方は施設から自宅へ。複数の利用者を効率よく回るルートで運ぶ
- 乗降のサポート:車の乗り降りに手を添える、車いすを車両に載せ降ろしする、玄関から車までの付き添い
- 車両の点検・清掃:運行前の点検、車内の清掃・消毒。安全と衛生の管理
- 運行記録の作成:誰をいつ送迎したかの記録。安全管理の一環
送迎は「ただ運ぶ」だけではありません。利用者の多くは高齢で、足元が不安定な方や車いすの方がいます。急ブレーキや段差でヒヤリとさせないよう、いつも以上に丁寧な運転が求められます。乗り降りのときも、転倒させないよう気を配ります。運転技術そのものより、安全と安心を届ける姿勢が仕事の中心です。
利用者やその家族と毎日顔を合わせるため、あいさつや声かけといったコミュニケーションも大切な業務です。「今日は寒いですね」の一言が、利用者の安心につながります。人と接するのが好きな人には、やりがいを感じやすい仕事です。
必要な免許|普通免許で可、二種が要るケース
必要な免許は、原則普通自動車第一種免許です。多くの人が疑問に思う「二種免許は要るのか」の答えは、原則ノーです。
理由は、施設の送迎が運賃を取らないサービスの一環だからです。第二種免許は「旅客を運んで運賃をもらう」場合に必要な免許なので、運賃を取らない施設送迎では求められません。運賃を取って人を運ぶ介護タクシーとは、ここが決定的に違います。介護タクシーの運転手は二種免許が必要ですが、デイサービスの送迎ドライバーは普通免許で務まります。
ただし、いくつか確認すべき点があります。送迎車が大きい(定員が多い)場合、車種によっては中型免許などが必要になることがあります。また、施設の運行形態によって条件が変わる可能性もあります。だから求人票の「必要免許」欄は必ず確認してください。多くのデイサービスの送迎はワゴン車クラスで普通免許の範囲ですが、思い込みで応募せず、車両と免許条件を照らし合わせるのが安全です。免許の種類ごとの範囲はトラック免許の種類一覧でも整理しています。
勤務時間の特徴|朝夕2ピークの働き方
介護送迎ドライバーのいちばんの特徴が、朝夕2ピークの勤務時間です。デイサービスは、朝に利用者を迎え、日中にサービスを提供し、夕方に送り届けます。そのため送迎の運転が必要なのは朝と夕方で、日中は運転業務がありません。
典型的なパターンはこうです。
- 朝:2〜3時間(利用者の送り)
- 日中:空き時間(運転専任なら勤務外のことが多い)
- 夕方:2〜3時間(利用者の送り届け)
この働き方には、はっきりした向き不向きがあります。利点は、朝夕の短時間だけ働けること。日中に自分の時間を持てるため、家事・趣味・別の仕事と組み合わせやすく、Wワークや定年後の働き方に向きます。一方のトレードオフは、拘束が朝と夕方に分かれるため、一日の真ん中に長い空き時間ができること。遠方から通うと、この空き時間の過ごし方に悩む人もいます。近所の施設なら一度帰宅できますが、そうでないと待機時間が生まれます。
「短時間で働ける」という利点は、「一日に2回出勤する形になる」というトレードオフとセットです。自分の生活圏や過ごし方と合うかを、応募前にイメージしておきましょう。日勤で長く働きたい人には、この2ピークは合わないことがあります。土日の休みや働く時間帯を軸にした職種選びは土日休みのドライバーになるにはも参考になります。
給料の目安|短時間ゆえの読み方
介護送迎ドライバーだけを分けた、全国共通の公的な平均時給はありません。古い求人記事にある「時給1,000円前後」を現在の全国目安として使うのは不適切です。厚生労働省の令和7年度地域別最低賃金一覧では、時間額は1,023〜1,226円です。雇用される介護送迎ドライバーにも、勤務先地域の最低賃金が適用されます。
ここで注意したいのが、月収の読み方です。朝と夕方だけ勤務する求人では、時給が高く見えても有給の実働時間が短くなります。朝便と夕方便の間が自由時間で無給なのか、施設内業務を担当して有給なのかも確認してください。「時給×有給の実働時間×勤務日数」で月収を試算し、副収入として働くのか、生活の柱にするのかで求人を選びます。
収入を上げたい場合の選択肢は主に2つです。ひとつは、送迎の合間に施設内の別業務を担う形で勤務時間を増やすこと。もうひとつは、次章の介護職を兼務するフルタイム勤務にすることです。運転専任は短時間・低拘束が魅力ですが、そのぶん総収入は限られます。特定の施設の金額をうのみにせず、雇用形態・勤務時間・時給の3点をそろえて求人を比べるのが、失敗しない見方です。