「回送ドライバーって、何を運ぶ仕事なんだろう」「二種免許がないとダメなのかな」。結論から言うと、回送ドライバーは荷物ではなく車そのものを運ぶ仕事で、普通免許があればできます。客を乗せて運賃を得るわけではないので、二種免許はいりません。給料はアルバイトで時給1,200〜1,700円、正社員で月給25〜40万円あたりが求人でよく見る相場です。この記事では、まず仕事の全体像を早見表で示し、何を回送するか、必要な免許、給料の目安、勤務先のタイプ、立替精算、向く人ときつい点の順に整理します。読み終えたら、自分に向くか・応募するかを判断できます。
この記事でわかること:
- 回送ドライバーの全体像(何を回送・必要免許・給料相場・雇用形態)
- 二種免許の要否と、大型車を回送するときに必要な免許
- 立替精算のしくみと、向く人・きつい点
回送ドライバーとは|仕事内容・必要免許・給料・雇用形態の早見表
先に仕事の全体像を早見表で示します。回送ドライバーは、積荷ではなく車両そのものを目的地へ運ぶドライバーです(2026年7月時点)。
| 項目 |
内容 |
| 何を運ぶ |
車そのもの(レンタカー・新車・中古車・商用車など) |
| 必要な免許 |
普通免許(客を乗せないため二種は不要)。大型車の回送はその車の免許 |
| 給料の相場 |
アルバイト時給1,200〜1,700円/正社員月給25〜40万円/単発は単価制 |
| 雇用形態 |
正社員・アルバイト・パート・業務委託・スポット |
ポイントは3つです。第一に、回送ドライバーは荷物を積まず車両そのものを運ぶのが特徴で、積み下ろしがありません。第二に、一般的な乗用車の回送は普通免許でできて二種はいりません。「客を乗せる=二種」ではないからです。第三に、給料は雇用形態で幅があり、立替精算のしくみも勤務先で違うため、求人票の確認が欠かせません。
配送ドライバーの職種全体の中での位置づけは配送ドライバーの仕事内容(職種別)で、似た入り口の送迎系は送迎ドライバーは未経験でできるかで確認できます。以降で何を回送するかから見ていきます。
何を回送するのか|レンタカー・新車・中古車の違い
回送ドライバーが運ぶ「車」は一種類ではありません。代表的なものを挙げます。
- レンタカー:店舗間の車両移動が中心。返却された車を別の店舗へ、あるいは空港・駅の受け渡し場所へ運ぶ。件数が多く、副業・スポットの入り口になりやすい
- 新車:ディーラーや納車センターから店舗・顧客のもとへ運ぶ。傷や汚れに特に気をつかう
- 中古車:オークション会場や販売店の間で車を移動する。長距離になることもある
- 商用車・社用車:企業の車両を整備工場や別拠点へ移動する
共通するのは、**荷物ではなく車そのものが「荷」**だということです。だから積み下ろしの体力仕事がない代わりに、運ぶ車を無傷で届ける責任が中心になります。引き取り前には車体の傷・へこみを確認し、記録してから運転を始めるのが基本です。運ぶ対象によって距離・件数・気をつかうポイントが変わるため、求人を見るときは「何を回送するのか」を最初に確認しましょう。
必要な免許|普通免許でできる、二種はいらない
回送ドライバーで最も誤解されやすいのが免許です。結論を先に言うと、一般的なレンタカーや乗用車の回送に二種免許はいりません。普通免許で行えます。
二種免許が必要になるのは、お客さんを乗せて運賃を得る運転(タクシー・バスの営業運転など)です。回送は客を乗せず、車そのものを運ぶだけなので、旅客運送には当たりません。そのため空車のタクシーやバスを回送する場合でも、客を乗せない限り二種は不要と整理されます。「車を運ぶ仕事だから二種が要る」というのは誤解です。
ただし、注意点があります。運ぶ車が大きい場合は、その車を運転できる免許が必要です。マイクロバスや大型バスを回送するなら、車両区分に応じて中型・大型免許が求められます。トラックの回送も同様です。つまり「普通免許でできる」のは普通車の回送に限った話で、大型車の回送には相応の免許が要ります。自分の免許で運転できる車の範囲は中型免許で運転できる範囲で確認できます。なお、車を積載車(キャリアカー)に載せて運ぶ仕事は「回送」ではなく貨物運送で、車両サイズに応じた中型・大型免許が必要になります(この場合も二種は不要です)。
給料・単価の目安|時給・月給・単発の相場
給料は雇用形態で幅があります。求人でよく見る相場は次のとおりです(2026年7月時点、地域・勤務先で変動。特定企業の金額ではなく目安です)。
| 雇用形態 |
給料の相場 |
| アルバイト・パート |
時給1,200〜1,700円程度 |
| 正社員 |
月給25〜40万円程度 |
このほか、単発・スポットの案件では1件いくらの単価制のこともあります。稼働できる日を自分で申請して働くスタイルが多く、空き時間を使いやすい一方、件数や距離で収入が変わります。単価制の場合は、1件あたりの単価だけでなく、引き取り場所への移動時間や立替経費まで含めて「実際に手元に残る額」を考える必要があります。
給料を比べるときは、額面だけでなく立替経費と移動時間を差し引いた実質で見るのがコツです。時給が高くても、遠方への引き取り移動が無給だったり、経費の立替が続いたりすると、実質は下がります。給料のしくみ全般の見方はドライバーの給料のしくみで、固定給・歩合・手当の構造とあわせて確認できます。求人票の金額は相場の目安と照らし合わせ、条件の内訳まで読みましょう。
勤務先の3タイプ|回送専門・レンタカー店・ディーラー
回送ドライバーの勤務先は大きく3タイプに分かれ、働き方の色が変わります。
| 勤務先 |
特徴 |
| 回送専門会社 |
さまざまな車を扱い案件量が多い。スポット・業務委託の入り口になりやすい |
| レンタカー店 |
店舗間の車両移動が中心。件数が多く、シフトや単発で入りやすい |
3つめがディーラーの専属回送です。新車や整備車両を店舗・顧客・工場の間で運ぶ役割で、扱う車が新しく傷への配慮が求められる一方、勤務が安定しやすい傾向があります。
どのタイプでも共通するのは、引き取り場所へは公共交通機関で向かい、そこから車を運転して届けるという流れが多いことです。だから運転時間だけでなく、電車やバスでの移動時間も稼働に含まれます。スポットで柔軟に働きたいなら回送専門会社やレンタカー店、安定して働きたいならディーラー専属や正社員、というように、求めるものに合わせて勤務先タイプを選びましょう。求人の見極め方全般はドライバー求人の見極め方が参考になります。
立替と精算|ガソリン代・高速代の扱い
回送ドライバーで見落とせないのが経費の立替です。運ぶ車のガソリン代や高速道路料金を、いったん自分で立て替えて後日精算するケースが多くあります。ここを確認せずに始めると、精算までの間に出費がかさんで負担に感じることがあります。
確認したいのは次の点です。
- 経費は誰持ちか:ガソリン代・高速代を会社が負担するか、単価に含まれるか、立替精算か
- 精算のタイミング:立替の場合、いつ精算されるか(週次・月次など)。立替が続くと一時的に手元の現金が減る
- 上限やルール:高速利用の可否、経路の指定、領収書の要否
とくに単発・業務委託で働く場合は、経費の扱いが報酬の手取りに直結します。「時給・単価が高い」だけで判断せず、立替経費を差し引いた実質で比べてください。業務委託で働くなら、労働法の保護が雇用とは異なる点も押さえておきましょう。委託で働くときの経費や契約の考え方は、軽貨物の例ですが業務委託配送の実態の整理が応用できます。安全のために無理な経路・時間で走る必要はなく、経費や期限の条件は事前に取り決めておくのが原則です。
向く人ときつい点|接客なしの裏側にあるもの
回送ドライバーは「接客がなく1人で運転できる」点が魅力ですが、その裏に負荷もあります。向く人と、きつい点を整理します。
向いている人は、運転そのものが好きで、一人作業が苦にならない人です。荷物の積み下ろしがないため体力的な負担は配送より軽く、いろいろな車種を運転できる面白さもあります。人と話すのが得意でなくても務まりやすい仕事です。
一方できつい点もあります。第一に、納車・返却期限へのプレッシャーです。決められた時刻までに無事に届ける責任があり、渋滞や道の不慣れで焦る場面があります。第二に、初めての車種・道での緊張です。運ぶ車が毎回違うため、車両感覚に慣れる前に運転することになります。第三に、事故を起こせない責任です。他人の車、それも商品や貸出車を預かるため、小さな傷でもトラブルになります。引き取り時の傷確認を徹底し、安全運転を最優先にする必要があります。
向くかどうかは、次のセルフチェックで当てはまる数を見ると整理しやすくなります。
- 一日を通して一人で過ごす時間が多くても苦にならない
- 初めての車種・道でも、焦らず安全を優先して運転できる
- 傷の確認や記録など、細かい確認作業をていねいに続けられる
- 立替経費や移動時間を含めて、実質の稼ぎを冷静に計算できる
- 納車期限に対して、余裕を持って前倒しで動ける
3つ以上当てはまるなら、回送ドライバーの働き方と相性が良い可能性が高いです。逆に、人と話す刺激が欲しい、決まった車・決まった道で安定して働きたいという人には、ルート配送など別の職種のほうが合うこともあります。
これらは「接客がない代わりのトレードオフ」です。楽そうに見えても、期限と安全の両立という緊張が常にあります。運転が好きで、慎重に車を扱える人には向く仕事ですが、無理な期限や経路で走らされないよう、条件を確認してから始めましょう。
ケーススタディ|白石さんは立替の精算を確認してから始めた
白石さん(33歳)は接客の多い仕事に疲れ、運転が好きなことから回送ドライバーの副業を検討しました。求人を見ると「未経験可・普通免許でOK」とあり、二種が要ると思い込んでいたので驚きます。調べると、客を乗せない回送は二種不要で、普通車なら普通免許で運べると分かりました。
応募前に白石さんが確認したのは立替と精算です。単発の案件で時給・単価は悪くなかったものの、ガソリン代と高速代を立て替える形式でした。精算が月末締めと知り、月の途中は立替が積み上がることを見込んで、無理のない件数から始めることにしました。実際に働いてみると、引き取り場所へは電車で移動し、そこから車を運転して届ける流れが多く、移動時間も稼働に含まれると実感します。運ぶ車の傷は引き取り時に写真で記録し、納車期限には余裕を持って動くことでトラブルを避けました。
白石さんが振り返って言うのは「時給だけでなく、立替経費と移動時間まで見て実質で判断してよかった」ということです。接客がない分の気楽さと、期限・安全の緊張はセットだと理解したうえで、自分のペースで続けられています。ドライバー職の選び方全体は配送ドライバーの仕事内容(職種別)で、給料の見方はドライバーの給料のしくみで確認できます。
まとめ|求人の雇用形態と免許を確認して向き不向きを判断する
回送ドライバーの全体像を整理しました。
- 回送ドライバーは荷物ではなく車そのものを運ぶ仕事。積み下ろしがない
- 一般的な乗用車の回送は普通免許でできて二種はいらない。大型車の回送はその車の免許が必要
- 給料の相場はアルバイト時給1,200〜1,700円・正社員月給25〜40万円・単発は単価制(2026年7月時点、相場の目安)
- 勤務先は回送専門会社・レンタカー店・ディーラー専属の3タイプ
- ガソリン代・高速代は立替精算が多い。経費の扱いと精算時期を必ず確認する
今日やることは2つです。まず気になる求人で、雇用形態・給与(相場と照らす)・立替精算のしくみ・必要な免許を確認すること。次に、自分が「運転そのものが好きで、期限と安全の緊張を受け入れられるか」をチェックすることです。接客がない気楽さと、車を無傷で期限内に届ける責任はセットです。条件と向き不向きを確認してから、応募するかを判断してください。